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真田幸村公役・坂口平さん

特集インタビュー vol.1

2019年3月16日(土)

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 2019年3月9日、上田商工会議所会館にて、『第37回上田真田まつり決戦劇 真田幸村公役オーディション』が開催されました。

​ 一般公開で行われたこのオーディションでは、男女計7名の応募者が、自己PR、事前に提示された課題台詞、審査員との質疑応答を通して、幸村公役にかける熱い思いを表現しました。

 激戦の中、上田市在住の坂口平さんが、真田幸村公役の座を勝ち取りました。

 上田真田まつり決戦劇の稽古は、3月16日から開始。その前に、今年度の幸村公役・坂口平さんにインタビューをさせていただきました。

​―改めて、自己紹介をお願いいたします。

坂口 平(さかぐち たいら)です。41歳です。長野市で生まれ、2歳からは祖父の家のある上田市で育ちました。
いわゆる、門前町生まれ、城下町育ちです(笑)

―幸村公を好きになったきっかけは何ですか?

子供のころ、よく祖父母と遊んでいました。その時に、一緒に歩いていた殿城村が、『真田太平記』の舞台になったと聞かされたんです。その中で、真田の草の者(忍者)や幸村公のことを物語チックに語ってくれました。当時は気づかなかったんですが、後から思うと結構脚色されていましたね(笑)かなりかっこいい幸村公の話を聞きました。

そんな祖父の幸村公の話から、『人生訓』を学んだんです。

―幸村公から『人生訓』ですか?

例えば喧嘩をしたとき、『幸村公だったらどうするか?殴り合いではない道を選んだのでは?』と考えたりとか。『こういう時、幸村公だったら?』ということを常に考えてきたんです。

-特に印象に残っているお話などはありますか?

戦時中、撤退しなければならない場面が存在しました。祖父は、その撤退の指揮をとらなければいけない人でした。とても厳しい撤退戦で、半分の人が日本に帰ることができませんでした。戦場で亡くなっていった人の先陣の中の、突撃していった人を幸村公に重ねていたのではないかと思います。

なので、祖父の口から語られる大坂の陣の話は、かなり苦しそうな口調であったことが印象に残っています。

突撃や特攻は決して格好よくはない。ただ、国のためではなく仲間のために戦った戦友たちがいる。その人たちがいたからこそ、今につながっている。そのことは忘れられません。

■あまりの負けっぷりについた『ヘタレ』のあだ名

―幸村コンテスト、幸村公役オーディションに7回も挑戦した理由はなんですか?

2代目幸村公を決めるコンテスト(2010年)から出場し続けて、先日のオーディションで7回目の挑戦でした。6回も負け続けてきたんです。その負けっぷりがあまりにもひどくて、仲間から『ヘタレ』というあだ名をつけられました(笑)そう言われても自分では『へこたれない』と言い返してきました。

そうまでしてコンテスト、オーディションに出場し続けたのは、自分の中の憧れを一度でもいいから演じてみたい、なってみたい。という思いがあったからです。子供のころの憧れを持ち続けたまま、大きくなってしまった感じです(笑)

コンテストで負けた後は悔しいけど、決戦劇が終わった後は、その幸村公がとても格好良くて、『負けて良かったんじゃないか』と思えていました。『俺の方が幸村公にふさわしかった』と思うような歴代幸村公は、誰一人としていませんでした。それでも毎年時期が近付くと、『やっぱり幸村公になりたい』という気持ちが湧いてきたんです。

■諦めなければ道は開ける

―7回目の挑戦で掴んだ幸村公役ですが、『こんな幸村公になりたい!』という目標はありますか?

自分の子供のころに描いていた、憧れの像はしっかり超えたいです。

武士はよく『死に様』と言われるけれど、死に様は自分の死後、誰かが語るという形でしか表現できない。でも、『生き様』は自分でしか示せない。もし失敗したとしても、『存分に駆けた!』と思えるんです。ありのままの自分を超えられたら、自分の中では合格点です。かっこいい、とたくさんの人から言われるよりも、自分自身が納得できるようになりたいと思います。最後に笑っていられるように、そんな幸村公になりたいです。

-坂口幸村のここを見てほしい!というところはありますか?

この決戦劇が初めての人も初めてじゃない人も、『ヘタレが兵(つわもの)になる』というストーリーをぜひご覧頂きたいです(笑)6回負けても最後には勝つんですから、どんなヘタレでも、諦めなければ最後に道は開けると自分は信じています。

■魂が戻る場所

-上田への思いはありますか?

上田以外で暮らしたことが1~2か月の長期出張くらいしかなかったので、この町の発展をずっと見てきました。道の一つをとっても、自分が5歳のころから見ていたものとは全く違う景色に見えるし、そのころから残っている懐かしいものもあります。思い出いっぱいの街です。

何もないように思えるけど、一人の人間が40年もいられる場所、特別なことをPRしなくても、『居ればわかる』街です。『魂が戻る場所』と言っていいですね。

坂口 平さんが真田幸村公を演じる、第37回上田真田まつり決戦劇『残桜』

2019年4月29日(月・祝)13時より、上田城跡公園芝生広場にて開催されます。

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